看護師から注目される保健師の仕事

保健師になるには、原則として看護師の資格が必要だ。

慢性的人手不足のため、医療現場の激務に疲れた看護師の中には夜勤などの不規則勤務がなく、肉体的負担の小さい保健師を目指す者も少なくない。

その理由として、保健師の主な業務は健康診断や保健衛生指導などで、食中毒や感染症の大規模な拡大でもない限り、概ね日勤に限られるからだ。

また、看護師の仕事は、概して保健師より高給ではあるものの、医療現場で医師の医療行為を補助することが多く、医師のような裁量権は認められていないのに対して、

保健師は保健相談などを受ける際に、自分の判断や裁量により問題解決を図れる場面も多いと言えるだろう。

保健所や保健センターなどの公的機関で公務員として働く行政保健師は、休暇が取りやすく、出産や育児の際に有利である。

行政保健師以外でも、企業で従業員の健康を管理する産業保健師も看護師に人気がある。

産業保健師を抱える企業は大企業が多く、給与や休暇の面で待遇も良いだろう。

また、教育機関で働く学校保健師は、生徒の健康指導を行うほか、急病や負傷の応急手当を担当する。

ただし、こうした現場に勤務する保健師として勤めた後、再び看護師として医療現場に戻りたいと考えても、日進月歩の看護技術についていけなくなり、再度医療技術に関する研修の受講が必要となるケースも珍しくない。

一方、病院保健師は、看護師の業務と兼任することが多く、看護スキルを維持しながら保健師の業務に携われる仕事だと言えるだろう。